(2)があるあどうか分からないが、こんなテーマで書いてみようと思う。
最近、年齢・経歴ともに後輩にあたるWebデザイナー君の腕がメキメキ上がっている。元々デザインセンスの良い子だが、唯一「色使いで損をしているかなぁ?」と、何となく思っていた。
親しくさせてもらっているし、人柄もとても良い子なので、何度かその旨伝えようかと思ったが、彼は彼なりにポリシーを持って仕事に取り組んでいる。色づかいなんてものには当然「守破離」といったものはある。「離」の段階あたりからだんだん自分好みの色づかいになる傾向にある。結局その人の「色」が出てくる。
私の好みで四の五の言う筋合いではないし、そもそも朝令暮改な私(笑)が言ったところで説得力もないと思っていたので、黙っていた。
その彼が昨年末、私のオフィスに遊びに来た。Web制作ツールであるDreamweaverやFireworks、Flashの事、コーディングの裏技的な話を中心に、仕事半分遊び半分で雑談をしていた時のこと、その彼が「Macに乗り換えようかな」というようなことをポロッともらした。
そう。彼はMacのことはほとんど知らない、根っからのWindowsユーザー。
根っからのWindowsユーザーとは言え、Macユーザーがかなり多い業界だ。
私の周りでは9割5部のデザイナーさんは制作にMacを使っているし、最近では2名、Macに乗り換えたというプログラマ君もいる。そんな業界にいる彼だ。全くMacを触ったことが無いわけではない。
そもそも、Adobe製品や、旧Macromedia製品はMacの環境でたたきあげられてきた製品だ。OSにしたって、「使い方」に限って言えば、今ではMacもWindowsもほとんど変わらない。雲泥の差がある、アイコンのセンス、色づかいやその繊細さ、ユーザーの事を良く考え抜いたインターフェイの出来を除いては。だがここが我々デザイナーにとっては大事なところだ。フッと考えさせられることもある。ドキッとすることもある。
私の横に座り、MacProの画面をにらめっこしながら、制作環境をあれこれお教えすると、「ふむふむ」とすんなり頭に入っていくようだ。若いだけあって実に頭が柔らかい。と言うか、Appleの製品ポリシーそのものがわかりやすくできているのだ。
その彼が特に気に入ったとおぼしきツールは、意外や意外Fireworksのカラーパレットだ。Mac OS Xの基本パレット、カラーホイール。OSレベルで管理しているから、どのアプリケーションでも同じホイールを使うことが出来る。気に入った色は登録したり削除したり出来るから、その人のMacから出てくる色は、その人の「色」に染まっている。
その彼から、先日メールが届いた。
「色を選ぶのが楽しくなりました。あと、自分が作ったサイトをMacで見たあと、Windowsで見るとがっかりしますね。作りなおしたくなります(笑)」
今年に入ってMacBook Proを購入したとのこと。フォントの問題や、他で使っているアプリケーションなどの事もあり、今すぐ全面的には乗り換えられないが、取りあえずWebPremium CS4だけは買って、新規のWeb制作は、Macで作っているという。
もっと早く教えてあげるべきだったか。いや、こういう事はタイミングだ。
というか、この短期間にMacBook Proと、WebPremium CSをすぐに揃えられる君、いったい幾ら稼いでるんだ。というか、早く結婚したまへ。
Copyright(c) STUDIO HIRO